「告白」湊かなえ(双葉社)

告白
「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
 我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで恐ろしい計画と共に犯人である少年を指し示した。モノローグ形式で行われる「級友」「犯人」「犯人の家族」それぞれからの「告白」。それらが幾重にも連なり、真相に迫る。(2009年5月31日読了)


 全編を通して登場人物の手記で構成されている。初めはそれが読みづらくもあったが、物語に引き込まれてからは客観的な立場である読者の臨場感を上げていたと思う。
 それにしても、先生怖い。母親は強いってことなのかなぁ?
 さらに、後味が悪い。
 少年らの独壇場だった物語の大半よりも、最後の最後でほんの少し救われた気になれたのも怖い。

 後半に進めば進むほど、とってつけた感じがしないでもない。1章目だけだったら、リアリティのある悲しい物語で終わったのになぁ。
 主要人物3人以外も、もっと活躍(?)するのかと思った。