「プラ・バロック」結城充考(光文社)

プラ・バロック
 埋め立て地の冷凍コンテナから発見された、14体の凍死体。整然と並んだ死体は、誰の、どんな意図によるものなのか。神奈川県警機動捜査隊に所属する女性刑事・クロハは、虚無感と異様な悪意の漂う事件の、深部に迫っていく……。第12回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。(2009年6月1日読了)


 スピード感のある文章と、生活臭を感じさせない独特の雰囲気。近代的ハードボイルドというか。映像重視というか。
 私は最後まで好きになれませんでした。
 この作風や世界観が好きになれるのなら、評価も変わりそう。私としては、もっと登場人物に奥行きがある方がいいなぁ。
 物語中で、仮想現実世界でのやりとりも出てくるんだけど、全編を通して仮想現実世界でのできごとのように見えた。
 今風に演出を頑張った2時間刑事ドラマくらいに考えれば、十二分に楽しめたけど。