2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

永遠な何か

そんなものはない。 * 親というものは、遠い世代の世界観に生きているものだと思っていた。 しかし、よくよく考え直してみると。 自分と両親との年齢差は20歳程度。 学生時代はともかく、社会に出てからは年齢差なんてものはあまり重要視されない。特に、ネ…

「風に舞いあがるビニールシート」森絵都(文藝春秋)

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり……。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編…

「プラ・バロック」結城充考(光文社)

埋め立て地の冷凍コンテナから発見された、14体の凍死体。整然と並んだ死体は、誰の、どんな意図によるものなのか。神奈川県警機動捜査隊に所属する女性刑事・クロハは、虚無感と異様な悪意の漂う事件の、深部に迫っていく……。第12回日本ミステリー文学大賞…

何となく本が読みたくなって

ここ数日、その辺に転がっていた本を片っ端から読了してみた。 後、視野内に残るのは、森絵都と村上春樹、森博嗣。視野外も漁ればいくらでも出てくるだろうけれど、とりあえず目につくところから片付けようと思って。 で、目の前にある森博嗣「λに歯がない」…

「告白」湊かなえ(双葉社)

「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで恐ろしい計画と共に犯人である少年を指し示した。モノローグ形式で行われる「級友」「犯人」「犯人の家族」それぞれからの「告白…

「重力ピエロ」伊坂幸太郎(新潮文庫)

春が二階から降ってきた。 兄の泉水は、二つ下の弟である春、優しい父、美しい母との四人家族。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。…