「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」西尾維新(講談社ノベルス)

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社ノベルス)
 人類最強の請負人哀川潤に丸め込まれた主人公、いーちゃんが潜入する女子校には“首吊り学園”という別名があった。師匠と呼ばれることとなったいーちゃんとその弟子、一姫は奇怪な密室殺人の謎を解けるのか?  戯言シリーズ第3弾。


 前作でちょっとは現実味のある舞台設定になった? と思ったら、こんなだし(笑)。いや、物語が面白ければ、舞台なんてどんなでもいいんですが。
 3作目にもなると、パターンが見えてしまうな。でも、肩の力を抜いて楽しめる娯楽性は相変わらず。新たに変なキャラクターも出てくるし、哀川潤の個性にも磨きがかかっているし。主人公、いーちゃんいーちゃんたる所以も少しずつながら見え隠れして、シリーズものとしての面白さも出てきたんじゃないだろうか。
 最後の最後にひとつ、出し惜しむように出す回答は今回も健在。この演出(?)、本を閉じるまで気が抜けない緊張感がわりと好きです(笑)。


 これ、当初は密室本(本編が袋とじされている講談社ノベルスのシリーズ)として出てたみたいですね。私が購入した第七刷は、何の変哲もなく、密室本の跡形もありませんでした。