最近の若い者はと言うけれど

 こないだ、バスに乗った時のこと。
 車内の座席はほとんど埋まっている状態で、私とリウコは最後尾の窓側を占領。マッハで座っていることに飽きてしまうリウコには、横からも後ろからも外を眺めることができ、しかもロックされた状態にあるこの位置はとても都合がいいのです。


 とある停留所で、小学校中学年くらいの女の子が乗り込んできました。
 彼女は定期を運転手に見せると、車内に空いた座席がないことを確認。近くにあった大きな手すりに近寄ります。でも、片手に定期、もう片方の手にはちょっとした荷物。つまり両手がふさがった状態で、その場所に落ち着くことはできなかったらしく、手元の定期を背負っていたリュックにしまおうとしました。
 とっとと片手をフリーにして、落ち着いてしまいたいのでしょう。
 ところが、大きく揺れるバスのなかでは、たったそれだけの作業も大変らしく四苦八苦してる様子。
 その彼女のまわり、車内前方の座席は、優先席を中心にご年輩の方々が占領していました。「おお、揺れるねぇ」「若いから大丈夫だよな」「ほら、また揺れるよ」とかなんとか、なかでも特に元気が良いお爺さんとお婆さんが声をかけてます。
 って、手伝ってやれよ! 別に、席をゆずるわけじゃないんだからさ!
 結局、見かねた他の乗客が席を立ち、手助けしに行ってました。ちょっと手を添えてあげるだけなのに。まったく気付かないのならばともかく、変なヤジ入れるくらいなら手を出せっての。