「蛇行する川のほとり(1)(2)(3)」恩田陸(中央公論新社)

蛇行する川のほとり〈1〉
蛇行する川のほとり〈2〉
蛇行する川のほとり〈3〉
 高校一年生の毬子は、校内でも評判の美しい上級生、香澄と芳野に声をかけられ、夏休みの9日間を香澄の家で過ごすことになった。憧れの上級生から選ばれた誇らしさに、有頂天になる毬子だったが……。
 彼女たちが隠す事実とは? いろいろな人の過去が繋がり、そして、過去と今とが繋がる3部作。


 1冊目を買ったきり、放置してました。数日前に本屋で3冊目が平積みされているのを見て、やっと思い出したという。
 というわけで、連載風定期発行にも関わらず、まとめて3冊読むことができました。1冊ずつ、実に嫌な区切り方をされているので(特に2巻の終わり方は気になるのでは?)、次冊を待ちわびて地団駄を踏まずにすみました。結果オーライ。


 ページをめくるたびに新しい展開が広がり、次の本を引き寄せて開く過程すらもどかしく思ってしまう。そんな、物語の面白さがありました。1冊にまとめてほしかったとは思うけれど、わけられているからこその楽しみもあったのかな。それこそ、次の本に移るまでのドキドキとか。
 それでもって、物語の展開以上に特筆すべきなのが、登場人物たち微妙な年代の描写。「六番目の小夜子」やら「ネバーランド」を凌ぐところがあるんじゃないでしょうか。(10/2読了)