「どきどきフェノメノン」森 博嗣(角川書店)

どきどきフェノメノン 大学院のドクタコースに在籍する窪居佳那の、「どきどき」でもって「ミステリ」な日常。
 講座の後輩である鷹野と水谷、謎の怪僧・武蔵坊、憧れの指導教官・相澤助教授……と、それにアルコールを摂取するたびに起こる記憶喪失が加わり、佳那の「どきどき」と「ミステリ」は……。
(2005/5/12読了)


 著者初の恋愛小説とのことだけど、いつもと何も変わりないような?
 確かに、死体や殺人事件は一切出てこないし、そういう意味ではミステリ色も薄め。
 でも、ページをめくっていくたび、主人公の佳那(カナ)と一緒になって、ありとあらゆる「どきどき」を味わうことができました。
 森節も絶好調というか、むしろ大炸裂で、文章の端々にある森センスを堪能できました。
 爽快で楽しい1冊。