「アフターダーク」村上春樹(講談社)

 すれ違う姉妹・マリとエリ、深夜のデニーズで偶然マリと再会したタカハシ、元女子プロレスラーで今はラブホのマネージャーを務めるカオル、それから……真夜中から空が白むまでのあいだに繰り広げられる、彼らの物語。(2006/2/2読了)


 いつもの村上春樹とは雰囲気が違う? と思ったら、一人称が“僕”じゃないのね。ドラマや映画のカメラワークを思わせる独特の第三者視点で、一夜のうちに起こることを淡々と綴っていきます。
 ちょうど、日付が変わる頃から明け方までの物語なんだけど、深夜の街は、余計な生活音が感じられない村上春樹の世界にぴったりだと思いました。不自然じゃない(笑)。