「最後の記憶」綾辻行人(カドカワ・エンタテインメント)
若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち……死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?(2006/2/8読了)
どんなどんでん返しが待ち受けているのかとワクワクしながら読み進めたけれど、残念ながら想像の範囲内でしかありませんでした。
“ホラーとミステリの融合”と帯やカバーで堂々とうたっているだけあって、そこら辺についての設定や状況にはスムーズに入り込めたんですが。が。もっと、すごい仕掛けでもあるのかと期待してたのになぁ。
いやね。読書ペースが落ちてきてからというもの、その本を読んでる最中のちょっとしたタイミングに、最後の数ページをチラ見するようになってしまったんですよ。
そろそろ時間だから切り上げなくちゃ、とかそういった時に、潔く本を閉じることができなくて、でも読み続けるわけにはいかないし、でも先が気になる……と見てしまうのです。
犯人の名前まではわからなくとも、ちょっとしたオチがわかっちゃうじゃないですか。作品の面白さ激減ですよ。
今回は、それだけは絶対すまいと断固と読み進めたのですが、準備万端で挑んだにしては……。