「レタス・フライ」森博嗣(講談社ノベルス)

レタス・フライ

 美女の幽霊、病気の子供、黒ずくめの謎の男……西之園萌絵が叔母らと訪れた白刀島で、診療所をめぐる怪しい噂に迫る「刀之津診療所の怪」。長期の海外出張で訪れた某国の美術館で、“僕”が遭遇した不可思議な事件「ラジオの似合う夜」の他、ショート・ショート5編を含む、全9編を収録。(2006年2月9日読了)


 ファンサービスたっぷりな1冊。
 1冊というより、「ラジオの似合う夜」と「刀之津診療所の怪」の2編かな。
 他の短編は、波長があうかどうかで好みが真っ二つにわかれそう。


 というわけで、「刀之津診療所の怪」なわけですよ。
 ウワーウワーウワー!
 どんな謎解きが待っているのかと読み進めたら、そういうことでしたか。てか、これ、シリーズを通して読んでない人には面白くもなんともないのでは? 「ラジオ〜」の方は、それでも、この短編をきっかけに本シリーズに興味を持つ、なんてこともありそうだけど。


 よくよく思い返してみれば、どこぞの過去作品でそれっぽい未来について語ってた気がするしな。謎の文字についても、例の作品で出てきてたし。
 なんて、ネタバレを恐れて、何が何やらかなりさっぱりな内容になってますが。まあ、これを足がかりに、さらに世界が繋がりそうな感じもします。ほら、新シリーズでまだ明かされてない謎があるじゃん!


 ところで“身内”っていうのは、単なる仲間内との意味なのでしょうか。それとも……!?