「方舟は冬の国へ」西沢保彦(カッパ・ノベルス)

方舟は冬の国へ (カッパノベルス)
 失業中の十(つなし)和人は、ハローワークの前で奇妙な男に声をかけられた。仕事を依頼したいという。それは、1カ月の間、別の名前を名乗り、見知らぬ女性と少女との仲のいい3人家族を装って、盗聴器と監視カメラのある家に滞在するというものだった。依頼を受けて滞在を始めた3人に、不思議な現象が起こりはじめる……。
(2004/9/13読了)


 ワオ、西澤保彦の新刊ですよ。
 しかも、新井素子が推薦文を書いてるじゃないですか。
 と期待感マックスで、買ったその日に読み終えてしまいました。


 見知らぬ者同士で家族を演じる、という設定は他でも見たことがあるんじゃないかな。
 それよりも、何故、そんなことをする必要があるのか。主人公は家族をうまく演じきれるのであろうか。偽家族との関係はどうなっていくのだろうか……等々、著者らしい視点をからめて物語が進んでゆくところに、この物語の魅力があるんだと思う。
 でも、ちょい肩すかし食らった気分かな。
 ミステリとしての西澤作品を最大に期待していたんだけど、まあ(以下略)。